みあきログ

『美味しさの追求』結局おいしいものを食べればいいってとこあるよね

【美味しさと心理学】パッケージで味が変わる!?Halo効果の影響(ハロー効果 Halo effect ヘイロー効果)

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 美味しさは味覚だけではない、嗅覚が大切・・というのはよく知られていますが、心理学の影響もとても大きいです。言ってみれば錯覚なのですが、本当の味は違うから騙されないようにしよう!ということではありません。

 『錯覚』という言葉は、『本当は違う・勘違い』という意味ですが、感性・知覚にとって錯覚は真実なので理解して楽しみましょう。

 今回は様々な状況で影響するHalo効果(ハロー効果・ヘイロー効果)について紹介したいと思います。

 
 

 

一般的にHalo効果とは

一般的な説明

読み飛ばしてもOKです。

ハロー効果(ハローこうか、英語: halo effect)とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。後光効果、ハローエラーともいう。例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても権威があると感じてしまうことや、外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。ハロー効果は、良い印象から肯定的な方向にも、悪い印象から否定的な方向にも働く [wikipedia:ハロー効果]

 

Appleの例

こんな話があります。AppleのパソコンMacの売り上げが上がった時に、アメリカではHalo効果といわれていたそうです。

Apple’s iPhone ‘Halo Effect’ Boosts Mac Sales 
“We believe that the halo effect emanating from the iPhone should be even stronger than that surrounding the iPod,” wrote Needham and Co. analyst Charlie Wolf.

実際、2001年のipodの出現で、2007年にはMacのシェアが約2倍。さらに、2007年のi phone出現の影響はそれ以上で2012年にさらに2倍まで売り上げが伸びました。

 

身近な例

・語学ができると仕事ができる。
・字がきれいだと頭がいい。
・親が有名だから子供も才能がある(関係ない分野でも)。
・かっこいい(かわいい)から性格もいいんだろうなぁ~好き!
・女優が食べているから美容にいい食べ物だ。

このように実際は直接関係ないことでも、関連付けて評価してしまうことがありますね。

では、このヘイロー効果・・・

味にはどんな影響?


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味・香りの影響

直接は関係ないはずなのに、経験などによって特定のことに意識が向かうことで味の強さが変化したように感じます。

・バニラの香りがすると、クリーミーに感じる
・バニラの香りがすると、甘味が強く感じる
・バニラの香りがすると、濃く感じる
Ref.  Sensory Evaluation of Food: Principles and Practices

・うま味が強いと、塩味が強く感じる
・しょう油の香りがすると、塩味が強く感じる
Ref.  Onuma, T., Maruyama, H., & Sakai, N. (2018). Enhancement of saltiness perception by monosodium glutamate taste and soy sauce odor: a near-infrared 

『〇〇であったら△△であるはずだ』と思ってしまうようなことを感じると、△△を探そう(感じよう)とします。それによって、本来は直接関係がなくても味が強くなることになります。
 旨みがあると思うと舌に意識がいくということでうま味以外の味も感じるようになります。

肩書(ブランド)の影響

このように影響するのは香りや味だけではありません。 

・ベルギー産カカオと書かれたチョコレートが香り高く感じる
・有名カフェのコーヒーの香りが強く感じる
・有名ラーメン店のスープのダシが効いてるように感じる

 感覚ではなく、肩書やパッケージの影響です。普段はかがない香りを意識してかいだり、スープだけを最初にじっくり味わったりすることで、『香りが強い』『味が深い』というように感じます。実際同じものを提供しても、店名やパッケージを変えるだけで美味しさの順位が変わります。

 もちろん有名なお店はおいしいのですが、さらにおいしく感じるという意味です。逆に意識しないと気付かないかもしれません。パッケージやロゴは大切です。

説明の影響

もっと言うと、

・〇〇の鰹節を使用しているので酸味と旨みを…
・花束の様な華麗な香り…
・ダークチョコレートの様なロースト香が…

 こんなふうに書かれていると、普段は気づかないことを感じることができるようになります。ソムリエの人が多くのワインを識別して記憶しておけるのは、言葉と香りを『意識』して『理解』して『結びつける』ことができる『知識と感覚』があるからです。

 

 

まとめ


 意識をさせる・意識をすることで美味しさは大きく変化します。説明してもらえると食を楽しめるようになりますね。また、お店側目線だと、うまく利用すればおいしさを伝えられるようにもなりますし、魅力的なメニュー・商品になります。ロゴ・パッケージ・宣伝の大切さですね。

 店名や商品名だけで判断するのも面白くないので、普段から意識するのが個人的には好きです。家で何かを食べたり飲んだりする時は、なるべくまず味わって感想をメモしてからパッケージの説明を見るようにしています。

 ↓こういう効果を感じることがあったら追加していきたいと思います。

 魚粉によって塩分控えめでもおいしいカップラーメン

 逆に言うと、期待をしすぎてしまうことになります。いわゆるハードルが上がるということですね。こちらは『アンカー効果』が効いてると思います。

両方を最近感じた商品が↓です。
悪くないはずなのにいまいちに感じる

 

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